母の思い出を紙の絵本に|ふみこさんシリーズを作って感じたこと

ふみこさんシリーズ3冊の表紙 思い出絵本

※本記事にはプロモーションが含まれています。

母が色々なことを忘れていくようになったとき、「母の記憶を何とかつなぎとめたい」と思いました。それが、母をモデルにした絵本「ふみこさんシリーズ」を作り始めたきっかけです。

好きだった歌や花のこと、山歩きや家族での旅のこと。母が話してくれたことや、家族の中に残っている思い出を、少しずつ物語にしてきました。そして、紙の本になった絵本を見たとき、ふと「少しは親孝行ができたかな」と思いました。同時に、私の知らなかった母の様子を知れたような気もしたのです。

今回は、絵本を作り始めた理由と、紙の本を手にしたときの気持ちを書いてみます。

忘れていく母の記憶を、つなぎとめたかった

母と話していると、以前は当たり前のように話せていたことが、少しずつ難しくなっていくのを感じます。思い出を聞きたい気持ちはあっても、こちらが聞いたことにいつでも答えられるわけではありません。

だからこそ、今ある言葉や家族が覚えている出来事を、形に残したいと思いました。絵本を作ったからといって、忘れていくことを止められるわけではありません。それでも、母が大切にしてきた時間を、私たちが読み返せる形にすることはできます。

長い説明を並べるのではなく、場面を一つずつ絵と短い言葉にする。母の好きだったものを思い浮かべながら、ふみこさんの物語が少しずつ増えていきました。

絵本にしたのは、母が好きだったことや家族の時間

歌と花の思い出

『ふみこさんの はなうたガーデン』には、歌や花が好きな母の姿を重ねました。どんなことをしているときに楽しそうだったか。母の好きだったものを思い返すことは、私にとっても、母をもう一度ゆっくり見つめる時間になりました。

山を歩いた日の思い出

『ふみこさんと うたう はっぱ』では、山歩きの思い出を物語にしました。目の前の葉っぱから、かつて見た景色や歌へと気持ちがつながっていくお話です。読む人にも、その景色を一緒にたどるような気持ちでページをめくっていただけたらと思います。

そういちさんと旅した世界の思い出

3冊目の『ふみこさんと そういちさんの せかいの おもいで』では、ふみこさんとそういちさんが、アルバムを見ながら旅の思い出をたどります。カンボジア、スペイン、中国、スイス、エジプト。二人が過ごしてきた時間を、旅先の景色とともに描きました。

作品をまとめているふみこさんシリーズ3冊の紹介記事では、それぞれのお話をもう少し詳しくご紹介しています。

紙の本を見て、「少しは親孝行ができたかな」と思った

絵本を作っている間は、文章や絵のことを考え続けていました。けれど、紙の本として目の前にしたときは、完成したという気持ちだけではありませんでした。

「少しは親孝行ができたかな」。そんな思いが浮かびました。

母が過ごしてきた日々を一冊の本に残せたことが、私にとってうれしかったのだと思います。ページをめくれば、母が好きだったことや、家族と過ごした時間をまた思い出せます。これから先も、私たちの手元に置いておける。そのことに、紙の本になった意味を感じました。

もちろん、本を作ったことで何かが解決するわけではありません。それでも、母を思って手を動かした時間も含めて、私にできることの一つだったのかなと思います。

作りながら、知らなかった母にも出会えた気がする

母のことは、娘としてよく知っているつもりでした。それでも、思い出を絵本にしてみると、「こんな景色も見ていたんだ」「こんな時間を過ごしていたんだ」と、今までとは違う角度から母を見られたような気がします。

私が直接見ていない時間も、母の人生にはたくさんあります。旅をしたときに何を見て、どんなことを話したのか。すべてを知ることはできません。だからこそ、残っている話や思い出を大切にしながら、分からない部分を勝手に決めつけずに描いていきたいと思っています。

絵本を作ることは、思い出を残す作業であると同時に、母を知り直す時間にもなりました。

家族の思い出を残す方法は、一つではない

思い出を絵本にしようとすると、立派なお話を作らなくてはいけないように感じるかもしれません。でも、最初から一冊の物語を考える必要はないと思います。

「よく歌っていた歌は何だったかな」「好きな花は何だったかな」「家族で出かけた場所はどこだったかな」。そんな小さなことを、一つずつメモしておくだけでも、あとで読み返せる記録になります。

写真に短い言葉を添える、家族で覚えている出来事を書き留める、好きだったものを絵にする。方法はいろいろあります。相手が答えられないときは無理に聞かず、家族自身の記憶から始めてもよいと思います。

私が母との時間から「思い出絵本」を作り始めた経緯は、家族でつくる思い出絵本の記事にも書いています。

おわりに|大切な時間を、これからも手元に

母の記憶をつなぎとめたくて始めた絵本づくり。紙の本を見たときには、少しは親孝行ができたかなと思い、同時に、知らなかった母の姿に触れたような気がしました。

忘れてしまうことがあっても、家族が覚えていることや、一緒に過ごしてきた時間まで消えるわけではありません。これからも、母の好きだったことや家族の思い出を、私なりの言葉と絵で大切に残していきたいと思います。

ふみこさんシリーズ3冊の内容は、こちらの紹介記事からご覧いただけます。3冊目の紙の絵本は、Amazonの商品ページでもご確認いただけます。

紙の絵本を手にしたときの気持ちは、母の思い出を紙の絵本にした理由にも綴っています。

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